ペーネミュンデ出身の科学者2人が宇宙船開発を競う話から始まり、超越した宇宙船が突如出現する出だしが最高だった。
プロローグ [編集]
第1部「地球とオーバーロードたちと」 [編集]
宇宙船に搭乗する宇宙人の代表は、自分はカレルレンという名であること[2]、今後地球は自分達の管理下に置かれること、などを電波を通じて宣言する。カレルレンは国際連合事務総長ストルムグレンを通じて地球を実質的に支配し、その指導の下、国家機構は解体してゆく。地球人はこの宇宙人を「オーバーロード(上帝)」と呼んだ。ストルムグレンは地球人としてはただ一人、オーバーロードの宇宙船に立入りを許されたが、オーバーロードは決して生身の姿を見せようとしない。ストルムグレンの定年退官直前、カレルレンは「50年後に生身の姿を公開する」ことを約束する。ストルムグレンはカレルレンの姿を見ようと一計を案じ、退官の日に実行するが、その結果については黙して語らなかった。
第2部「黄金時代」 [編集]
第1部より50年後。それまで長きにわたって各地の大都市上空にあったオーバーロードの宇宙船は、ニューヨーク上空のものを除いて忽然と姿を消す。ニューヨークの郊外に降り立ったオーバーロードは、約束通り全世界の前に生身の姿を見せる。その姿形は衝撃的なものであったが、人類はその姿を受け入れ、オーバーロードと共存しつつ平和で豊かな生活を享受する。しかし中には反抗的な人々もいた。天文学者ジャン・ロドリックスはオーバーロードの出現によって人類の宇宙進出が挫折したことを遺憾とし、クジラの剥製標本に潜り込んでオーバーロードの母星に密航する。